| 社 側 |
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この番組は、今年7月で開局50周年を迎えたラジオ大阪が、15年ぶりに自社制作したスペシャルラジオドラマだ。原作は面白ヒット曲で知られる嘉門達夫さんの初めての私小説となった作品『た・か・く・ら』。ラジオドラマの前に、「〜嘉門達夫の大阪が燃えたあの日〜」と題してラジオドラマのベースとなる「大阪万博」を軸に「大阪が燃えた」時代を、音楽、出来事、流行など様々な角度から検証した。大阪万博研究家を招いて、万博が現代に残したものを掘り下げつつ、並行して中継レポーターの落語家・桂春菜が今も大阪各地に残る万博の遺産を探訪した。またドラマ本編にも登場する嘉門達夫の同級生が生出演し、少年時代の高倉への思いなどを聞き、ドラマ放送へと自然に繋げるよう演出した。ドラマはある朝、枕元に置いた携帯電話の着信音で目を覚ました嘉門達夫が、幼馴染みの高倉さんの口から衝撃の言葉を聞くところから始まる。「昨日、医者からなぁ、肺ガンって言われてん。余命3ケ月やて−」。2人が子供だった頃の一大イベント「大阪万博」の回想をベースに重厚かつシリアスなテーマをコメディー タッチに描いた。大人になっても変わらない友との熱い絆が、涙と共感を呼ぶ友情物語だ。 |
| 委 員 |
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未来は明るいという時代のドラマだ。嘉門達夫の作品を平面のものから、立体的なものにしたということ、アナログ的なラジオドラマをもう一度今の世の中に出したというのは評価できる。私はこの「チャラリーン」という着メロは効果的にラジオドラマの中で使われていたように思う。最初は何のことか分らなかったが、何度もしつこく使われていて区切りもよく良かったと思う。開局50周年のドラマとしてはとても良かった |
| 委 員 |
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分りやすいし素直に聞けたが少し長い。同窓会などをやって会っている世代というのは良い関係だなと感じる。この世代は縦より横のコミュニティが出来上がった時期だったし、その時代を髣髴とさせるドラマだった。面白かったが、盛り上がりにかけた感はあった。 |
| 委 員 |
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笑いあり涙ありのよくできた番組であった。軽いタッチの友情物語になっていたのが良かった。共感を得られやすいものだった。ただ番組としてサラッと仕上がりすぎた感じもした。 |
| 委 員 |
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人間関係が希薄になってきた現代社会において、子供の時からの友情を、大人になってからも持ち続けている人達の暖かさを感じる番組であった。現代の若者たちは10年、20年経ってからも、昔からの友達関係を維持することはできるのだろうか。子供の時の友達や高倉君との付き合い、そして大人になってからの友達づきあいへと年齢を重ねるに従って、より深くなっている。子供の時の楽しい思い出は一生持ち続けるものであり、大人になってもいつも心は子供のようでありたいと思うが、世の中はなかなかそうはいかない。死というものを直視しつつ、死にたいする一種の恐れがなんとなく和らぐような番組でもあった。淡々とした流れの中にも、人の命のはかなさや人生を支える人の存在を感じさせた。人間の尊厳を訴えるようだった。最後まで一気に聞き入ってしまった。 |
| 委 員 |
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ラジオドラマの放送後のリスナーの反応はどうだったのか。 |
| 社 側 |
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お便りは多くいただいた。ラジオドラマは非常に珍しく、良かったという反応が多かった。 |
| 委 員 |
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当時の少年たちのバッジを全部集めてやろうとかいう熱中的なところがあったなと感じた。今の子供たちには、このように熱中的になることはないのではないであろうか。着信音の「チャラリーン」という音は最初、着信音だと分からなかった。 |
| 委 員 |
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この原作をラジオドラマにするというのは非常に難しかったと思う。非常に聴きやすくて面白かった。ただストーリー的にどう展開するのかが読みやすかった。そういった構成的な面で、物足りなさがあったし、予定調和的なものを感じた。着信音の「チャラリーン」は効果的だった。私たちも原稿を書いていると改行マークがあり、それでリズムをとるという手法もある。この着信音は番組全体のリズムをとる意味でも良かった。 |
| 社 側 |
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平日の昼間に放送したドラマで、分りやすいストーリーにした意図はあった。この時間帯はリスナーが真剣に聴いている時間でなく、何かをしながら聴いている時間帯だ。だから番組のところどころに嘉門さんの「チャラリーン」という声の着信音を入れ今何が起きているのかわかるようなアテンション入れる必要性があった。 |
| 委 員 |
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面白いと思う。私たちも何の音かと思ったが、何かと思わせることは良いことだ。嘉門さんの、真面目に取り上りあげても少し斜めから見て、重たいものを軽く見せるというところが私は好きである。エッセイ的な受け取り方もできた。軽やかな調子が、非常に気持ちよかった。世の中に新しい音が出てきた。今回であれば携帯電話の着信音であるが、もっと新しい音を使っていけば面白い。万博の世代は同窓会をよくやっていると聞く。集まると元気がでるとか一つの共同体をもっている世代なんだろう。日本人には共同体やお祭りが必要なんだと思う。ただ現代はどこへも共同体がもてない世代が増えている。そのあたりは危惧される点だ。 |
| 委 員 |
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今後のラジオドラマはどうなのか。昔の手法では聴取者のほうがついてこないではないだろうか。 |
| 社 側 |
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現在は漫才ですら5分もなかったりして、リスナーや視聴者が我慢できなくなっていることを意味しているのかもしれない。今回は携帯の着信音を使って聴かせる工夫はしてみた。 |
| 委 員 |
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私たちの大学では授業で時間・場所・登場人物、状況を設定した上で、シナリオを描くことをしている。シチュエーションを設定してリスナーに分りやすくする手法もあるのではないか。 |
| 委 員 |
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今後、ラジオ全体で新しく開発していく必要性はあるだろう |
| 社 側 |
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貴重なご意見ありがとうございました。 |