| 社 側 |
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この番組は浪曲とドキュメンタリーという異質なものを合体させた番組だ。ラジオの持つエンターテインメント性と報道性を、ミックスさせるとどうなるかという思いから番組を作成した。若手の女流浪曲師の菊地まどかさんのレパートリーに「吉岡先生」という作品がある。この作品は、昭和9年に大阪を直撃した室戸台風により甚大な被害を出したエピソードをもとにつくられた浪曲だ。現在の吹田市豊津第一小学校の吉岡藤子先生が身を挺して、5人の児童をかばい殉職した。浪曲「吉岡先生」では七五調の言葉を節に乗せ、ドラマチックな台詞で教師の情熱と児童への愛情が語られる。浪曲という、庶民的な芸能を聴きながら、こうしたエピソードを生んだ室戸台風の実態はどうであったのかを、高齢となった体験者のインタビューをもとに追った。
室戸台風をきっかけに大阪は、防災都市づくりをすすめ、日本の気象予報体制も整備され飛躍進歩した。大阪の防災についてエポックメーキングな事象であった室戸台風を浪曲とドキュメンタリーで感じていただければと思う。
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| 委 員 |
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ドキュメンタリー部分は、当時の室戸台風の凄まじい様子や街の状況、さらには、当時台風を体験した方のインタビューも紹介されており、臨場感があった。そしてこのドキュメンタリー部分を聴いた後、浪曲「吉岡先生」で、台風の中、命がけで児童を守るシーンが登場したので、猛威をふるう台風の凄まじさがまるで映像を見ているように感じられ、非常に迫力があった。浪曲とドキュメンタリーというジャンルの違うものを1つの番組内で融合することで斬新なものが生まれたのだと思う。
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| 委 員 |
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菊地まどかさんは、若いながら実力派なので、説得力があった。室戸台風は昔話に聴くだけだが、その時の臨場感が伝わってくる番組構成だった。この番組企画は新しい方向性を打ち出したと言える。ラジオの底力を再確認した。また、浪曲はもう滅びると思っていただけに、昨今、若い人材が登場しているのには驚かされる。
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| 委 員 |
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菊地まどかさんは大変上手な浪曲師だ。音の世界だけで臨場感・映像的な世界を出せると言うことに感銘を受けた。芸術祭参加番組ということで浪曲の良さを追求したという側面だけ見ても成功した番組だと思う。インタビュアーの人選も良かった。吉岡先生の自己犠牲してまで子供を守ったというシーンは心を打つものがあった。
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| 委 員 |
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今風が吹きはじめている浪曲とドキュメンタリーをミックスさせたところに勇気があったと思う。浪曲の持っている節というものが時代性を感じさせ、番組として成立したと思う。他の落語や講談では成立しない。その浪曲を演じているのが、今の浪曲師というところに新しいものを感じた。ただ浪曲がわれわれの世代では受け入れられる。ただ他の若い世代は、どこまで受け入れることができるのか。
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| 委 員 |
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浪曲とドキュメンタリーという組み合わせが良かった。当時の喧騒が見えるようだ。また当時のインタビューが迫力があったし、非常にわかりやすかった。だが浪曲の時間が前半と後半に分かれていたが、非常に長いように感じた。リスナーが果たしてこの時間にじっくり聴いているのか、疲れてしまうような内容だったのではないか。もう一つはいま防災や減災など、いろいろな概念が出てきて、災害への対策が変わっている。室戸台風の教訓をどう生かすのかが、示されていれば良かった。
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| 委 員 |
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非常に印象が良かった。方法の新しさもあるし、評価に値する内容だった。台風を体験した生き証人の声があり、歴史的背景もよく描かれていて総合的に構成され過去の体験が蘇ってきたように思う。ただ番組の構成的に物足りないところがあった。菊地まどかさんの語りどころは良かったがもっと節が聴きたかったなという思いがある。台風の風が吹いている音をもっと弱めて、菊地まどかさんの声をもっと聴きたかった。ちなみにこの「吉岡先生」は菊地まどかさんの新作なのか。
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| 社 側 |
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「吉岡先生」の話は昭和9年の出来事で、先生が身を挺して生徒を守った話が全国的な話題になって、浪曲や講談・ 映画になったものだ。最近になって、その眠ってたものを菊地まどかさんが掘り起こしてきたものだ。
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| 委 員 |
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そういった作品は多くあるのではないかと思う。私たちが知らないだけで、このような人情を語っているすばらしい作品が他にもあるのだろう。
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| 委 員 |
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体験者の方を見つけだすのは、かなり苦労したのではないか?
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| 社 側 |
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体験者を捜すのも大変だった。私としては実際に吉岡先生に助けられた方をを捜し出したかったが、たどり着くことはできなかった。今回、インタビューした方も、自分が生き残って、その体験を語るというところに、引け目を感じているような様子があった。
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| 委 員 |
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70年以上前の話だが、当時の気象状況や四天王寺の崩壊、また他の証言が生々しくよく再現されていて聞き入った。当時の日本社会の価値観や倫理観、先生と子供たち、またその親との関係性は、よき日本の心象風景として表現されているのだと思う。
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| 委 員 |
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この番組を聴いて技術革新の進歩が、いかに私たちの生活を自然の災害から守ってくれるのかをいまさらながら感じた。また実話を元に浪曲として語り継がれて いることは過去の出来事を風化させないためにも大切なことだ。当時の子供たちの犠牲などがきっかけとなって、犠牲などがきっかけとなって防災対策が講じられるようになったということだが、いつの時代も同じようなことが繰り返し起こっているように思えて、ならない。このような事実をもとに、今後このような悲しいことが起こらないよう社会に対して呼びかけていくことが重要であると思う。
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| 社 側 |
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貴重なご意見ありがとうございました。 |