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「チン電でんねん〜路面電車の底力〜」は今年5月31日19時30分〜20時15分に放送した特別番組だ。今回この番組を制作したきっかけは、阪堺電気鉄道の音を昔から聴いていて番組として取材したいと思ったからだ。開業して100年以上経つが、今も 経営難など、紆余曲折を経ながら走り続けている。昭和20年代に、乗客数のピークを迎え、それ以降は乗客減少に歯止めがかからないところが多くなっている。チンチン電車にとって決して楽観的でいられない今だからこそ、どんな魅力が人を惹きつけているのかを伝えたいと考え、番組を制作した。懐かしさを感じるチンチン電車だが交通手段としては今が正念場。海外ではLRTと呼ばれる環境にも人間にも優しい次世代型路面電車が新しい交通手段として登場している。富山県では昨年の4月に地球環境を配慮した路面電車LRTが日本で初めて開業。導入を検討する自治体が増加傾向にある。路面電車はノスタルジックな乗り物として残っていくか、それとも省エネルギー時代の乗り物として新しいスタートを切っていくのか。番組では、今後の方向性も見据えて考えていった。 |
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この番組は、大阪に唯一残るチンチン電車・阪堺電気軌道の魅力について実際の走行中の音や利用者の生の声を使い、さらには海外で利用されている路面電車LRTなども話題にあげ様々な角度から紹介されていた。単にアナウンサーが話すだけでなく、チンチン電車にゆかりのある方の意見や、思い出を本人の生の声で紹介するのは非常に臨場感や説得力があり良かった。アナウンサーの語り、街の人の声、海外における路面電車の状況、専門家の話などがあり、幅広い話題を楽しむことができた。番組の中盤から後半にかけては人間的な温かみがあり、どこか懐かしさを感じさせる魅力をもっているチンチン電車と、環境にも人間にも優しい次世代型路面電車であるLRTの紹介、また富山県でのLRT導入事例等を織り交ぜてうまく比較されており非常に良い番組構成だと感じた。これらの話題を通してリスナー自身も、様々な交通機関の魅力について考えさせられる良い機会になったのではないかと思う。さらにいえば、この番組を聴いたリスナーのチンチン電車に対する考えや意見を集約すると、また違った角度からのチンチン電車の将来が見えてくるのではないかと感じた。 |
| 委 員 |
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我々の世代はチンチン電車は普通にあったものだった。市電も普通にあった。やはり
30年代になって車社会になってどんどんなくなった。一つの時代の残されたものという意識がある。最近も乗ることがあるが、その地域の子供たちが車内であやとりをしていたりして生活の一部が見えることができる電車だ。ただメルボルンでは中に食堂をつけたりして観光の一環として路面電車が使われている。大阪の阪堺線も経営難を乗り越えるための一つの手段として、観光材として使用する方法も考えたら良いのではないかと感じた。この番組は高齢者にとっては非常に懐かしい思い出を彷彿とさせ、若い人向けには未来志向のLRTのことが出てくる。そのため内容もちりばめられ良い番組だと思う。 |
| 委 員 |
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番組全体の印象としては、語りが柔らかく、訴える力があったと思う。駅の利用者の
声があり良かった。LRTとして残るだけが、路面電車の残る道なのか、本当に路面電車の生き残る道はそれしかないのか。各地の危機に瀕しているチンチン電車の現状と、その危機に対してどのような対策をとっているのかが紹介されていると、チンチン電車の新たな道が見えてくるのではないかと感じた。チンチン電車は「人が電車を待つのではなく、電車が人を待つ」という利用者の声が印象的だった。まさにチンチン電車そのものを表す利用者の声だったと思う。 |
| 委 員 |
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なんといっても女性のアナウンサーが話すテンポがこのローカルなチンチン電車の話題と合っていたと思う。そのテンポは現在のアナウンサーのスピードよりは少し遅いが、それがとてもこの番組の趣旨に合っていて聴きやすかった。大変聴きやすく 楽しかった。ラジオでなければできない番組だと感じた。 |
| 委 員 |
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他のインタビューカットの方のトーンが暗く、聞き取りにくいという部分もあって アナウンサーの声が際立って聞こえた。全体的に長いという印象があった。結局どこに焦点があるのか分らなかった。番組説明を今聞いて、古い骨董的なものと最先端のLRTを比較するということを中心に編集したのだと分った。もっとその趣旨を際立たせる構成の仕方があったのではないか。インタビューカットなど盛り込みすぎだ。LRTの説明がわかりにくく、LRTがどういう構造で走っていて、どういうものなのかが全く分からなかった。未来の交通手段としての路面電車について話している大学教授の説明は何度聞いても分からなかった。 |
| 委 員 |
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講談師の旭堂南海さんの声が、効果的に聞こえなかった。講談師らしい語り口で、ノスタルジックな雰囲気を出そうとしたのかもしれないが、路面電車は近代的なものでお洒落なものでもあるため、普通の語り口でよかったのではないか。タイトルも「チン電でんねん」と大阪を全面に出したかったのかもしれないが地元の人も「チン電でんねん」とは言わないだろう。違和感があった。また利用者にあなたにとってのチンチン電車の魅力は?というインタビューの聞き方があったが不適切でないか。聞き方としては、きつく聞こえた。突然聞かれてもインタビューされた方はとまどう方が多かったのではないか。毎日乗っていてどうですかという聞き方が良かったのではないか。阪堺電気軌道は子供の時によく乗っていた。近代からずらした感覚のものを大阪は残していかないといけない。これからも近代の早さばかり求めている時代に、疑問を問いかける番組作りをしていってほしい。 |
| 委 員 |
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地球環境を守るためのいろいろな対策がなされているが、この路面電車もその一つとされている。また地域に密着した交通機関として愛着を感じる人も多いことが、この番組を聴いてわかった。子供の頃から阪堺電気軌道上町線に乗っていた私も、そのモダンな車体に感動した覚えがある。時刻表も3〜5分間隔との表示で、待ってといえば待ってくれるなんとものんびりした電車だった。1分でも2分でも早く、東京へ着くための研究がなされている新幹線とは違う。地域に密着し、生活を支える交通機関としての路面電車に焦点をあてた今回の番組は、電車に乗ること自体が一つの日常生活の延長上にあり、また人と人との温かさを感じさせるものであった。路面電車のもつ暖かさと、時としては自転車に追い越されてしまうそのスピードは、ストレス社会の進行を少しでも食い止める役割を果たしているのではと感じた。近代化の中にも一人ひとりが人間性を失うことなく、また大きな視点である地球環境の事も考えなければならない時代になっているが、交通機関もそのひとつであることをアピールした番組だ。 |
| 社 側 |
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貴重なご意見ありがとうございました。 |