| 社 側 |
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今回、13年ぶりに「だから土曜日」というタイトルのラジオ番組を復活させた。かつて上方落語界の貴公子といわれながら、51歳の若さでこの世を去った故 桂春蝶さんのラジオ番組である。新しく番組の“顔”となるのは、その春蝶さんの長男である桂春菜。父春蝶がラジオ大阪の土曜日の顔になったのと同じ31歳になり、今年(2007年)は三代目春蝶を襲名することが決まっている。春菜は才気煥発で凝り性。特技は年間100本以上という映画鑑賞、料理、スキー、釣り、英会話と幅広く、また落語にも真摯に取り組む姿勢が高く評価されている。相手役も先代の「だから土曜日」と同様、ラジオ大阪の女子アナウンサーが務める。入社2年目の若手女子アナウンサー、和田麻実子を起用した。番組の聴きどころである出演者2人の若さと勢いを感じてもらいながら、この番組でコアターゲットとしている45歳から55歳の——彼らよりも一世代から二世代上のリスナーに、温かくも厳しい目で、番組への参加を通じて二人を育てていっていただきたいと願っている。
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| 委 員 |
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桂春菜の軽妙な語り口、飾り気のない話し方には親しみを感じた。しかし、冒頭から時間の経過につれて徐々に会話のテンポが早くなり、聴いていて疲れるようになった。それに対して和田麻実子アナウンサーがある程度の緩衝役として機能していたように感じた。内容については、出演者2人の極々個人的な話題が多く、「聴かされている」という感があった。加えて、言葉の使い方に誤りが多い点も気になった。一言一言をもっと大切にしなければならないと思う。ラジオは多くのリスナーが聴いているのだから、相応の注意や気配りが必要だ。ラジオは社会の「公器」でもあるので、様々なメディアのあるなかで一線を画することが求められる。あらゆる世代のリスナーに満足してもらうことは不可能にしても、少なくとも最大公約数的な配慮は必要だ。
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| 委 員 |
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(桂春菜と和田麻実子という)若い2人の“初々しさ”が番組の聴きどころのひとつ、とのことだが、それが目立ちすぎて(編成の意図とは)逆に気になる。未だ若くて仕方のないところもあるが聴きづらい。具体的に言うと、まず言葉の使い方に間違いが多い点が気になった。例としては、「(リスナーからのハガキなどを)ご応募しております。」などだ。少なくともいくら話し言葉とはいえ、主語と述語ははっきりとさせなければならないだろう。もうひとつ気になったのは、(故 桂春蝶の長男であり落語家である)桂春菜ならではの、彼の“核”となる部分に迫る内容が番組に不足している点だ。折角の「素材」を(演出的に)活かし切れていない気がする。番組編成上意図しているリスナーターゲットが45歳〜55歳の男女であれば、なおのこと“実”のある内容が求められはしないか。偉大な落語家であった父・桂春蝶にまつわる身内話などあれば、もっと楽しく聴くことができたと思うと残念だ。番組進行のテンポは良いだけに、ひとつひとつ着実に課題をクリアしていけばきっと良い番組になると思う。可能性に期待する。
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| 委 員 |
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テンポが良く、出演者の2人が楽しく番組に取り組んでいることが聴いていて伝わってくる。ただ、(審議用に試聴した内容が2006年年末に放送したもので)出演者2人がそれぞれ2006年に起こった出来事を5大ニュースとして紹介していたが、その内容があまりにも個人的なものだったので聴いていて冷めてしまい、“スタジオとの距離”を感じた。加えて、(ある年を定めてその年に起こった出来事を当時の楽曲とともに振り返る)フラッシュバックのコーナーは、表面的な事象のみを並べた淡泊な印象を受けるので、もっと深い掘り下げが欲しい。
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| 委 員 |
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番組全編を通じて、(出演者の2人と一緒にスタジオに入っている)放送作家の笑い声が聴いていてとても気になる。事情を知らない一般のリスナーにとっては、その放送作家を改めて紹介をしない限り「この笑っている人は一体誰なのか」という疑問が常につきまとうことになり、肝心のトークに集中できず不親切だ。あとは、言葉の使い方の問題が気になった。出演者のひとりである和田麻実子アナウンサーについては、将来のために敢えて苦言を呈するが、先輩である中西ふみ子アナウンサーをはじめとするラジオ大阪の歴代の女子アナウンサーと比較して、言葉の“間口”が狭くボキャブラリーが足りない印象を受ける。まだまだ若いので、今後良い意味でのしたたかさを身に付け、語彙数を増やして活躍すること期待している。フレッシュさは強く伝わってくるので、今後は出演者2人がそれぞれ自分の“芸”をどのように磨いていくか、番組の制作者がどのように掘り下げ演出していけるかが問われるだろう。
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| 社 側 |
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出演者2人以外の(放送作家の)声が入ってくるという指摘については確かにその通りだ。このスタイルは自局と他局を問わず、現在のラジオ番組において頻繁に取り入れられているある種“流行の”演出ではあるが、トークがスタジオ内で完結してしまいリスナーのもとまで届かなくなる場合がある。対策を検討し改善する。
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| 委 員 |
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出演者の桂春菜はまだまだ荒削りだが、その荒さが魅力というか聴いていて意外に疲れない。幼少時代にラジオをよく聴いていた頃の楽しさを持った——しょうもない話をしているけれどなぜか笑わせてくれる番組だと感じた。ノリの良さ、明るさを失わずにより良い番組を目指して欲しい。
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| 委 員 |
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番組のトーンが明るいのは良いことなのだが、それでも出演者2人のテンションが高すぎるように思う。スタジオ内のゲラゲラとした内輪での高笑いは聴いていて白けてしまうので改善すべきだと思う。和田麻実子アナウンサーの声は良いのだが、桂春菜のテンションに合わせているのか、浮ついて聞こえることがある。もっと落ち着いて、桂春菜のブレーキ役に回って欲しい。
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| 委 員 |
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落語家としての桂春菜“らしさ”や彼の“生き方”に肉迫するような内容が不足しており残念だ。番組のトーンは明るく、二人の掛け合いもまずまず息が合っているが、あとは出演者2人が経験を積み、「正しい言葉の使い方」や「語彙の数」、「話の“引き出し”」などの面で技量を磨いていくしかない。
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| 社 側 |
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出演者2人の未熟な面については改善すべき点として指導している。番組内で桂春菜の落語家としての特徴付けが不足しているという指摘については、番組の派生企画として番組タイトルを冠した「だから寄席」という桂春菜の独演会を毎月一回のペースで実施していく。
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| 社 側 |
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貴重なご意見ありがとうございました。
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